かなり恣意的なフィクション

今夜も帰りは日付が変わる直前。
誰もいないはずの部屋に明かりが点いている。
僕は不安と喜びと困惑とがないまぜになった気持ちを抱えながら、あわてて鍵を開けた。

その人が僕の帰りを待っていたのだった。なんだか、とっても普通な感じで。
僕はしばし言葉を失った。それからかろうじて「おかえり」とだけ言って、彼女を後ろから抱きしめた。彼女も「ただいま」と答えただけだった。それ以上の言葉は必要なかった。


……そんなこと、あるはずがないのだ。
「これは夢だ」って、夢の中にありながらそう思えるほどには、僕は学習していた。もうこのテの夢は数え切れないくらい見ているわけで。

夢とわかって見続ける夢は、どんなに甘い夢も苦痛でしかない。だから、夢の中では開いている目をさらに見開いて、夢から覚めるように自分で自分に仕向ける。


目覚めた後のむなしさと、ほんのちょっとの安堵感が入り交じる感情のなかで僕は、
どこからともなく聞こえる声を聞くのだ。
ソンナモンジャタリナイ、モットクルシメ、という。
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by match-ken | 2007-12-06 09:21 | 今朝見た夢  

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