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非常識な常識

河合隼雄さんの『こころの処方箋』に収められているエッセイは、どれも突拍子もないタイトルが付けられているようで、読んでみるときわめて常識的な内容だったりするのだ。いかに人が現実味のない、観念上の「常識」を正しいと思い込んで生きているかに気づかされると思う。

中でも、「自立は依存によって裏づけられている」の一項は示唆に富んでいる。


よく思うのが、依存には、「その人への依存」と、「関係性への依存」に区別されるんじゃないかということ。誰かに依存したいと思うとき、ほんの少し立ち止まって、そうすることでどっちを求めているのかを確かめておかないと、無用にその相手を傷つけてしまいかねない。
特に、誰かとの関係の代償として、他の誰かとの関係にはけ口を求めようとしているときには要注意だ。僕の乏しい経験から言っても、そこでずんずん突き進んでいったところで、物事が好転したためしがない。

自立するためにはべったり依存できる相手が必要だというのは深く頷ける。
でも、逆もまた真なりとはよく言ったもので、依存するためには自立しなくてはならない、ということもいえるのかもしれないな。少なくとも自分の気持ちを見定めることができる程度には。

by match-ken | 2007-09-25 01:34 | 雑感  

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